Sustainability/Satisfaction
塗料、インキ、コンパウンド樹脂向けメタリック顔料
Aluminum paste
旭化成アルミペースト
輝きをデザインするメタリック顔料
商品の外観に輝度感や光学特性をもたらすメタリック顔料です。世界最先端の技術力を発揮して、自動車、家電・IT関連機器、インキ等、様々な分野でお客様のニーズにお応えしています。
AKXY2に採用したポイント
自動車を見た時にまず目に入るものは外観です。上質な外観は、購入時・利用時の満足感を高めるために、非常に重要な要素といえます。旭化成のアルミペースト(メタリック顔料)を使用すると、ボディのみならず、樹脂化部品、パーツの内外装等でも美しいメタリック意匠を実現でき、ユーザーの満足度向上に貢献します。
また、環境負荷の低い水系塗料や塗装レスにも加工技術等により対応します。
Sustainability/Satisfaction
高耐候性ウレタン塗料及び樹脂用硬化剤
DURANATE
デュラネート™
低VOCに貢献する低粘度硬化剤
ウレタン塗料用の硬化剤です。デュラネート™を使用したウレタン塗膜は高い耐候性をはじめ、機械的及び化学的物性に優れます。また、弊社独自の技術である低粘度化、低温硬化性により、VOC削減、CO2削減に貢献します。
AKXY2に採用したポイント
車のさまざまなパーツ表面は光沢のあるクリアコートで覆われており、表面保護だけでなく高いデザイン性の実現にも貢献しています。AKXY2のボディやサイドテーブルのクリアコートには、デュラネートを採用し、塗料中のVOC量を削減しながら、美しい外観を実現しています。
Sustainability/Satisfaction
溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(SSBR)
TUFDENE
タフデン™
タイヤの走行性能向上とサステナビリティを両立
走行性能(グリップ性能、操縦安定性など)とサステナビリティ(省燃費性の追求、耐摩耗性の向上による長寿命化)を高次で両立させるために、旭化成の変性SSBRがシリカコンパウンドタイヤのベース原料として採用されています。
AKXY2に採用したポイント
電気自動車の電費が向上すれば、ユーザーの充電頻度を減らし利便性を高めるだけでなく、環境負荷も低減することができます。これらを実現するために、AKXY2には、必要な走行性能と電費性能を両立できるタフデンをベース原料に用いたタイヤを搭載しました。また、タフデンによる耐摩耗性と強度の向上は、タイヤの長寿命化の観点からもサステナビリティに貢献します。
Sustainability/Satisfaction/Society
樹脂グレージング用
ハードコート剤
Glazing (for PC)
樹脂グレージング用ハードコート剤(開発中)
樹脂によるガラス窓代替を実現
樹脂窓に要求される耐候性、耐薬品性機能を維持しつつ、プラズマCVD無しでフロントガラス規格対応の耐摩耗性を達成できる水系塗料です。
AKXY2に採用したポイント
フロント、リア、サイドなど車のあらゆる窓にはガラスが使われています。AKXY2では、ガラスでは難しいデザインを実現するために、ガラスの代替として樹脂を使用し、さらに樹脂表面の耐久性をガラス並みに高めるためにグレージングを施しました。デザインの自由度を高めることに加え、軽量化による電費改善効果も見込まれます。
Sustainability/Satisfaction
2液型ポリウレタン塗料用硬化剤
X-TTI
X-TTI(開発中)
CO2を原料とした世界初のイソシアネート
CO2を原料とすることで生産時のCO2削減に貢献します。また、低温焼付温度を下げることができるため、塗装時のCO2削減にも貢献します。
AKXY2に採用したポイント
AKXY2のボディのクリアコートには、既に実績の豊富なデュラネート™と共に、開発中の硬化剤であるX-TTIを使用しました。X-TTIは低温焼付でも高い塗膜性能を付与できる環境配慮型の硬化剤ですが、世界で初めてCO2を原料に用いた点が特徴的です。まさにAKXY2のコンセプトにあるサステナビリティを体現するアイテムと考えています。
Satisfaction
Touch point
AKXY2 TouchPoint Entry Door
ドアエントリーコントローラー
見た目を変えないタッチセンサ
材料の裏面に設置して使用するタッチセンサです。ひずみと超音波の反射を利用して接触を検出するため、裏面に設置して使用することができ、ボデー表面への加工は不要です。そのためデザインの自由度を損なわずセンサ機能を付与することができます。
AKXY2に採用したポイント
AKXY2は細部に至るまで心地よく過ごせるように形状、体験がデザインされています。もちろん、スイッチ部分も例外ではありません。スイッチ部にTouchpointを内蔵することでデザインの統一感を損なわずに機能を付与でき、ユーザーの満足度向上につながります。
Sustainability/Satisfaction
アクリル樹脂
DELPET™ PB series
デルペット™ PBシリーズ
この樹脂 黒と呼ぶには黒すぎる
外光反射が少なく優れた漆黒性を持つアクリル樹脂で、流動性や耐溶剤性といったご要望にお応えする豊富なグレードをラインナップしています。高外観のニーズがある部品での使用に最適です。
AKXY2に採用したポイント
近年、自動車のインパネ回りにはより多くの情報が表示されるようになり、ユーザーが乗車時に画面を見る時間も長くなっています。インパネ周辺部材の優れた外観はユーザーの満足度向上につながると考え、高漆黒性を有するアクリル樹脂デルペット™PBシリーズを搭載し、弊社ロゴを際立たせました。
Satisfaction
光学樹脂
AZP
AZP™
複屈折を限りなくゼロに
AZP™は当社独自の分子設計・重合技術により複屈折を限りなく0に近い水準で実現した、新規光学透明樹脂です。ガラス同等の低複屈折性を持ちながら、軽量かつ耐熱性・耐光性に優れ、幅広い車載ソリューションに貢献します。
AKXY2に採用したポイント
ガラス同等の低複屈折性を実現した新規光学樹脂AZP™は、ガラスよりも軽量かつ設計自由度が高いという特長を併せ持ちます。AKXY2では、AZP™をインパネ周辺のディスプレイカバー向けに提案。従来の樹脂材で課題となっていた複屈折による視認性の低下を抑え、偏光サングラス越しでもクリアな視界を維持できます。
Sustainability/Satisfaction/Society
発泡ポリエチレン
MEF
メフ®
しなやかでタフ デザインをさらに自由に
メフ®はポリエチレン樹脂を旭化成独自の型内成形で発泡させた製品で、緩衝材、工業資材、雑貨などの用途に用いられます。柔軟性、強さ、弾力性を兼ね備えており、耐油性、耐薬品性、耐熱性等の物性にも優れています。
AKXY2に採用したポイント
車を停めてリビングでくつろぐような体験を提供できないだろうか、という問いが搭載のきっかけになりました。柔らかい座り心地の腰掛けがあれば、家にいるのと変わらずリラックスして心地よく過ごせるのではと考え、メフ®の成形前の発泡ビーズをパッキングし包み込まれるようなクッション性を持たせたスツールを配置しました。
Sustainability/Satisfaction
高機能ポリウレタン原料(ポリカーボネートジオール)
DURANOL
デュラノール™
VOC削減に貢献する高耐久素材
デュラノール™を用いることで、耐傷付性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性に優れたポリウレタンを得られます。また液状タイプ、特に水分散タイプはVOC削減に寄与します。さらにバイオ由来品も開発しております。
AKXY2に採用したポイント
AKXY2の車内では、スツールベースやサイドテーブルのレイヤー部分など、ユーザーの手の届くパーツの表面を心地よい触感に仕上げるため、デュラノール™を含有するコート剤を用いました。デュラノール™はソフトな手触りを生み出すだけでなく、高耐久化を実現します。
Sustainability/Satisfaction
ポリプロピレン複合材料
Thermylene® SoForm™
ソフォーム
インテリアにより上質な触感を
ガラスファイバーで強化されていながら、ソフトな触り心地を持つポリプロピレン複合材料。耐候性・耐傷付き特性を活かし、塗装レスでも自動車内装部品として良外観を実現します。
AKXY2に採用したポイント
車の中で過ごす時間が長くなれば、車内のさまざまな部分に直接触れる場面も多くなります。AKXY2ではサイドテーブルに無線充電ポートを埋め込み、手が触れる部分の表面材にソフトな触感を持つ無塗装のThermylene® SoForm™を用いました。塗装無しでも快適な触り心地で、傷が付きにくいため、ユーザーの満足度向上につながると考えています。
Sustainability/Satisfaction
高耐候性ウレタン塗料及び樹脂用硬化剤
DURANATE
デュラネート™
低VOCに貢献する低粘度硬化剤
ウレタン塗料用の硬化剤です。デュラネート™を使用したウレタン塗膜は高い耐候性をはじめ、機械的及び化学的物性に優れます。また、弊社独自の技術である低粘度化、低温硬化性により、VOC削減、CO2削減に貢献します。
AKXY2に採用したポイント
車のさまざまなパーツ表面は光沢のあるクリアコートで覆われており、表面保護だけでなく高いデザイン性の実現にも貢献しています。AKXY2のボディやサイドテーブルのクリアコートには、デュラネートを採用し、塗料中のVOC量を削減しながら、美しい外観を実現しています。
Sustainability/Satisfaction
高機能ポリウレタン原料(ポリカーボネートジオール)
DURANOL
デュラノール™
VOC削減に貢献する高耐久素材
デュラノール™を用いることで、耐傷付性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性に優れたポリウレタンを得られます。また液状タイプ、特に水分散タイプはVOC削減に寄与します。さらにバイオ由来品も開発しております。
AKXY2に採用したポイント
AKXY2の車内では、スツールベースやサイドテーブルのレイヤー部分など、ユーザーの手の届くパーツの表面を心地よい触感に仕上げるため、デュラノール™を含有するコート剤を用いました。デュラノール™はソフトな手触りを生み出すだけでなく、高耐久化を実現します。
Sustainability/Satisfaction
不織布・繊維
Dinamica® PURE
ディナミカ ピュア
なめらかでソフトな上質な手触り
Dinamica® PUREは超極細繊維と水系ポリウレタンからなる、独自の三層構造を持つ人工皮革です。製造プロセスに有機溶剤を使用せず、原料の一部にリサイクル材料が用いられているため環境負荷を低減することができます。また、オーダーメイドの表面デザインを施すことが可能です。
AKXY2に採用したポイント
車のインテリアの触り心地やデザインはユーザーの満足感に大きな影響を与えます。AKXY2ではサイドテーブルとシートの満足感を高めるために、上質な手触りを持つDinamica® PUREを搭載し、さらにシートの表面にはデザイン加工を施しました。また、有機溶剤を使用せず、一部にリサイクル原料を使用する生産方法なため、環境負荷低減にも貢献します。
Sustainability/Satisfaction/Society
NDIR方式CO2センサー
CO2 sensor
車載向けCO2 センサ
車内の空気質を見守ります
車載CO2センサーは、独自の化合物半導体技術を用いた高性能の赤外線受発光素子とSenseair社の光路設計技術により、従来のガスセンサーと比較して高信頼性で、超低消費電力で高精度の計測が可能です。車内の空気質の改善、電気自動車の航続距離延長、CO2冷媒漏れ検知、子供やペットの置き去り防止等のソリューションを実現します。
AKXY2に採用したポイント
換気が不十分な空間で呼気によりCO2濃度が高まると、眠気や判断力の低下を引き起こすとされています。CO2センサーで車内の空気質をモニタリングし、あわせて適切な換気を行うことで、車内を快適な環境に保つことが可能です。また、空気質に基づいて換気を最適化することで、空調で消費するエネルギーを抑え、電費の改善も期待できます。
Sustainability/Satisfaction/Society
繊維
PTT floor mat
PTTカーマット
清潔な車内環境をキープ
汚れがつきにくく掃除しやすいため、快適な車内環境を保つことができます。防汚性に加え、長期の使用でもへたりにくい優れた形態回復性を備えています。さらに、原料には植物由来成分を含むPTTを使用しており、環境にも配慮しています。
AKXY2に採用したポイント
車内を清潔に保つための清掃作業は手間がかかり面倒です。AKXY2に用いたPTTカーマットであれば、汚れが付きにくく清掃の手間を省くことができ、長期の使用でもへたりにくいため、心おきなくくつろぐことができます。また、原料には植物由来成分を含むPTTを使用しており、カーシートと同じく快適でサステナブルなものとなっています。
Satisfaction/Society
オーディオ・ボイスDSP
AK7016
オーディオとボイス処理に特化したDSPで車載機器の音声操作を実現
AK7016搭載のボイスコマンドは声で車載機器を操作でき、車室内環境に最適化されたアルゴリズムにより高速走行時のロードノイズ下でも高い認識率を示します。ネット環境不要の音声認識であるため応答性にも優れ、ビームフォーミングによる指向性制御により各席で独立した音声操作が可能です。
AKXY2に採用したポイント
車には快適な乗車体験のためのさまざまな機能が装備されています。しかし、操作が煩雑ではせっかくの機能が使われず、必ずしもユーザーフレンドリーとは言えません。AKXY2では、音声による直感的で手軽な操作を可能にするために、AK7016を活用したボイスコマンドを搭載しました。これにより、視覚と触覚だけではない人と車のつながり方を提示しています。
Satisfaction/Society
プラスチック光ファイバ
POF
高分子技術と紡糸技術を結集して開発された
プラスチック製の光ファイバ製品
旭化成のプラスチック光ファイバ(POF)は、当社の高分子技術と紡糸技術を結集して開発されたプラスチック製の光ファイバ製品です。導光性や屈曲性に優れ、用途に応じた製品設計が可能なことから、ライトガイド・光通信・側面発光を用いた装飾・ファイバセンサーおよび工業用内視鏡など、幅広い分野で活用されています。
AKXY2に採用したポイント
車にはさまざまな機能が搭載されており、それらの状態を示すインジケーターが必要です。各種インジケーターが普段はユーザーに気づかれることなく、必要な時だけ表示されるようにすれば、デザイン全体の調和を損なうことがありません。AKXY2では、表皮のファブリックを透過して点灯可能なPOFをインジケーターとしてカーシートに組み込みました。
Sustainability/Satisfaction
繊維
Fusion
フュージョン®
快適な乗り心地を提供
三次元立体編物構造のため、クッション性・通気性・耐久性・洗濯性に優れています。各種内装部材用途でウレタン代替として利用することで軽量化に貢献します。光の透過性も良く、天井やドア内部などの内装材として活用することでデザイン面にも寄与します。
AKXY2に採用したポイント
体圧分散性や通気性に優れたシートであれば、長時間座っていても疲労や蒸れによる居心地の悪さを軽減し快適に過ごすことができます。また、その素材が再生原料や植物由来原料から作られていれば環境負荷低減にも貢献できます。快適でサステナブル、そんなシートを実現するために三次元立体編物のフュージョン®を搭載しました。
Sustainability/Satisfaction
高機能ポリウレタン原料(ポリカーボネートジオール)
DURANOL
デュラノール™
VOC削減に貢献する高耐久素材
デュラノール™を用いることで、耐傷付性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性に優れたポリウレタンを得られます。また液状タイプ、特に水分散タイプはVOC削減に寄与します。さらにバイオ由来品も開発しております。
AKXY2に採用したポイント
AKXY2の車内では、スツールベースやサイドテーブルのレイヤー部分など、ユーザーの手の届くパーツの表面を心地よい触感に仕上げるため、デュラノール™を含有するコート剤を用いました。デュラノール™はソフトな手触りを生み出すだけでなく、高耐久化を実現します。
Sustainability/Satisfaction
SAGE’s fabrics
Woven
表皮材(織物)
様々な織パターンでオーダーメイドのインテリアを実現
色のカスタム性、様々な織パターンでオーダーメイドのインテリアを実現できる汎用性の高い表皮材です。
AKXY2に採用したポイント
車内の広い面積を占有する壁面や床面のデザインは満足感に大きな影響を与えます。AKXY2では表皮材(織物)とインクジェットプリントの技術を組み合わせ、独自のデザインの内装空間に仕上げました。カスタマイズ可能な内装でユーザーの満足度向上につながります。
Sustainability/Satisfaction
SAGE’s fabrics
Circular Knit
表皮材(丸編み)
高い伸縮性で様々な形状に対応
織物の技術も組み合わせることができるため、ジャガードパターンのようなデザインにも対応します。高い伸縮性を有しているので様々なパーツに適用可能です。
AKXY2に採用したポイント
車の中をリビングのような快適な空間にするために、AKXY2にはスツールを搭載しました。スツールクッションのカバーに表皮材(丸編み)を使用することで柔らかな座り心地を実現しています。
Sustainability/Satisfaction
SAGE’s fabrics
Warp Knit
表皮材(たて編み)
伸縮性とデザイン性を兼ね備えた表皮材
色の組み合わせやシンプルなモチーフ、ストライプなどの組み合わせでオーダーメイドのデザインを実現できます。また伸縮性も有しているため、様々なパーツに適用可能です。
AKXY2に採用したポイント
AKXY2では座り心地を高めるためにシートに多くの曲面を使用しています。曲面への追随性を求めたため、伸縮性の良い表皮材(たて編み)を使用しました。この表皮材を用いることでシートに色味と編柄といったデザイン性も持たせることができました。
Sustainability/Satisfaction
SAGE’s fabrics
Interplay
表皮材(グリップ触感)
独特のさわり心地でインテリアにアクセントを
生地の表面に特殊加工を施すことでグリップ感のある生地に仕上げ、撥水性、耐久性を付与しました。
AKXY2に採用したポイント
手が触れる部分のさわり心地は満足感に大きな影響を与えます。AKXY2では程よいグリップ感のある独特の表皮材であるInterplayをシート裏面に搭載することでシートにアクセントを加えました。
Sustainability/Satisfaction
不織布・繊維
Dinamica® PURE
ディナミカ ピュア
なめらかでソフトな上質な手触り
Dinamica® PUREは超極細繊維と水系ポリウレタンからなる、独自の三層構造を持つ人工皮革です。製造プロセスに有機溶剤を使用せず、原料の一部にリサイクル材料が用いられているため環境負荷を低減することができます。また、オーダーメイドの表面デザインを施すことが可能です。
AKXY2に採用したポイント
車のインテリアの触り心地やデザインはユーザーの満足感に大きな影響を与えます。AKXY2ではサイドテーブルとシートの満足感を高めるために、上質な手触りを持つDinamica® PUREを搭載し、さらにシートの表面にはデザイン加工を施しました。また、有機溶剤を使用せず、一部にリサイクル原料を使用する生産方法なため、環境負荷低減にも貢献します。
WHY?
なぜ旭化成がコンセプトカーを作るのか?
旭化成がコンセプトカー製作に本腰を入れたのは2016年4月。
とはいえ、コンセプトカー製作は多くの化学メーカーで既に実践されており、後発と言わざるを得ない状況でした。選ばれた社内メンバーも車両づくりとしては素人集団であり、また、旭化成の自動車に活用される製品は多岐に渡り、表現やコンセプトの打ち出しにくさもありました。
それでも車両づくりに長けているパートナーを見つけ、「旭化成らしさ」を追求することで、お客様に旭化成のモビリティに関わる事業を広く知っていただくために、私たちもモビリティそのものをもっと理解するために、そして旭化成が一体感を持ってモビリティの事業へ取り組むために、コンセプトカーをつくりました。
AKXYでは「自動車の安全・快適・環境への貢献」、AKXY PODでは「五感で感じる未来のモビリティ空間」を提案してきました。AKXY2ではこれからのモビリティに求められる価値を提案し、お客様と共創していきたいと考えています。
「自動車産業の皆様のパートナーとなり
新たな価値を共創していきたい」
2017
AKXY
幅広い車載製品や技術を搭載することで旭化成の総合力を周知
2019
AKXY POD
自動運転の時代を想定し、快適な移動車室内空間を表現
Concept
AKXY2で提案するコンセプト「3つのS」
AKXY2はクルマの価値を高めるために不可欠な『3つのS』をコンセプトの柱としています。
『3つのS』とはSustainability(持続可能なクルマづくり)、Satisfaction(クルマの満足度向上)、そしてSociety(社会とクルマのつながり)のこと。
Sustainabilityは気候変動が深刻化する中で、もはやものづくりの責務として果たさなくてはならない課題であり、英知の結集が急がれるテーマです。AKXY2はSustainabilityのために今実際に貢献でき、今後ますます力を発揮していくと思われるさまざまな旭化成の素材や技術を搭載しています。
Satisfactionは五感や直感、心身の幸福実感と深く結びついたテーマです。AKXY2では快適性などいつの時代も普遍的に求められる価値に対してより高い要求に応えながら、これまでのクルマにはなかった発想でアプローチし、具現化しています。
Societyは変容する社会との関係からクルマの未来形を考える、AKXY2の基幹となるコンセプトです。とりわけ2代目コンセプトモデルAKXY PODを発表してから1年も経たぬ間に広がっていったコロナ禍は、私たちの社会を否応なく変容させ、クルマの存在価値を根本から見つめ直す大きな要因となりました。例えばプライベートを確保して個々の活動を後押ししてくれる空間として、またリモートでは置き換えることのできないリアルな体験やコミュニケーションを育む場として、クルマが私たちの心を豊かにしてくれることをあらためて考え、デザインに結び付けていきました。
AKXY2は自分たちだけで完結するものではありません。難しい課題にあふれ、より良い未来を考え続ける意志が必要とされるこの世界で、AKXY2が一粒の種となって皆様とのディスカッションや共創を通じて何かの形に結実していくことを思い描いています。
Sustainability
持続可能なクルマづくり
自動車からのCO2排出量削減やリサイクルに関する規制が次々と打ち出される自動車業界のサステナビリティ。EVシフトは本格化し、環境に配慮して材料や生産工程などに求められる各国の規制も厳しさを増しています。AKXY2はこれらの流れを正面から受けとめて、素材や技術によるソリューションを提案します。透明な樹脂に強度をもたらす新開発のコート剤は、重いガラスの代わりに樹脂を活用することを可能にしただけでなく、ガラスではできなかったデザインの高い自由度も実現しました。
またAKXY2は生産から流通、廃棄に至るまでクルマのライフサイクル全体のサステナビリティの視点から、各ステージの環境負荷を小さくする取り組みにもつながっています。例えば生産工程の中でも特に環境汚染や作業従事者への負担が大きかった塗装工程で、安全性向上と環境負荷低減に貢献する塗装剤はその代表例です。さらにAKXY2に搭載された素材では植物由来の原料に置き換える研究や、回収材をリサイクルする研究など、サステナビリティの追求が続いています。
Satisfaction
クルマの満足度向上
エクステリアからインテリアの意匠と機能、音や温度、走行感、座り心地、手触り、話し声、窓外に見える景色など、人がクルマに乗ることで体験するあらゆる満足感がSatisfactionに関わっています。AKXY2には旭化成が持っているさまざまな高機能素材やエレクトロニクス技術の中からSatisfactionを重視してアイテムをピックアップしAKXY2仕様にデザインしています。
自動運転技術が普及している世界を想定して、従来の乗車体験では得られなかったSatisfactionの提案もしています。AKXY2では固定された硬いシートから解放され、フカフカのクッションシートの上に座ったり、足を投げ出してくつろぐことや、シートを動かしてレイアウトを変えたり、外に持ち出して使うことも想定しています。壁には一周ぐるりと溝があり、そこに木製ボードを挿し込んでテーブルにしたり、カーペットを付け替えたり、クルマの使い方に合わせてカスタマイズできる仕掛けになっています。
EVシフトを筆頭とする変革の波はクルマにこれまでにない新たな発想を呼び込んで、世界ではユニークなデザインや斬新な機能が次々と生まれています。AKXY2も、未来のクルマはもっと快適で自由な空間になっているだろうと考えています。ぜひ実際に乗って触ってAKXY2を体感してください。
Society
社会とクルマのつながり
人々の働き方が多様化し、「在宅勤務用の個室」「自分のための個空間」といったように空間の在り方が変わってきています。その上でAKXY2ではクルマの『空間』を再定義し、移動している時だけでなく止まっている時も、そこでやりたいことのできるプライベート空間、社会とつながる場と考えます。コンセプトを象徴するように可能な限り開放感を追求して、AKXY2の上半分は天井まで透明なガラス代替樹脂で構成されています。360度どの方向からもアクセスでき、実際は閉じているのに閉じていないかのように感じられるデザインになっています。自由に動かせる椅子やソファだけでなく、ノーズやテール、デッキにも腰掛けられるようになっていて、日本家屋の縁側のように外との緩やかなつながりを感じられます。
例えばAKXY2でキャンプ場に出かけて星空を見る、街角に停めて友だちとお茶を楽しむ、あるいは家の中に停めて個室として使う、といった世の中が来るかもしれません。AKXY2に実際に乗ってみたお客様が「こんな使い方がいいな」「ここでこういうことができたらいいなあ」などと想像を膨らませ、楽しいクルマの未来形を一緒に考えていくことができればうれしいです。
Design
コンセプトを体現するデザインのこだわり
AKXY2のデザインは『3つのS』をより直感的に具現化する試みから始まりました。循環や自然のサイクルを象徴した「輪」のモチーフは「サステナビリティ」「環境との共生」を表現し、第一弾のAKXYから受け継ぐ面や線の出発点です。フロント、リアの表情はもちろん、バスタブやエクステリア、キャノピーに至るまで、AKXY2を構成する全ての主なデザイン要素はこの「輪」から展開しています。そして、この輪を効果的に用いることで、移動体としての魅力的で伸びやかな形の中に、親しみやすさを付加しています。
アルミペーストのシルバー塗装によって、柔らかな面の陰影を強調して見せながら、先進的で中性的なエクステリアを表現しました。
われわれが考える未来では、人々のくらしが移動空間でもシームレスに繋がっています。静的な生活が移動によって分断されないように、AKXY2のバスタブにマグネットグリッドと壁面スリットをデザインしています。これらには椅子やテーブルなどさまざまなプロダクトを取り付けることで内装空間をパーソナライズしたり、スリット内には空調設備やセンサーなどを搭載することもできます。また内装のパーソナルな空間は段階的に緩やかに拡大されるように、さまざまな要素を効果的に配置してデザインしています。
エクステリアとは対照的にインテリアのカラーリングはカラフルで個性的にまとめました。さまざまな色のファブリックやサステナブル素材を採用することで、ダイバーシティな時代を象徴する内装空間としています。
バスタブの外側にはウッドデッキ、車両の前後端には腰掛けを配置し、キャノピーが垂直に開閉することで360度、内と外の両方からさまざまな使い方が出来ます。AKXY2が、静的、動的な生活を繋ぐ存在として社会に存在し、内と外の境界をぼかしながら人々のくらしを豊かにできるように。そして長く愛されるように思いを込めてデザインしました。
『人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA』にて
AKXY2を初展示しました。
AKXY2出展レポートとともに会場内で注目した
他社の展示をご紹介しています。