vol.04 特集テーマ 音マネジメント

ジョビー社(Joby)、NASAと共同で電気エアタクシーの騒音フットプリントを測定

ジョビー・アビエーション(Joby Aviation)社は今週、NASAの「Advanced Air Mobility」という米国内キャンペーンの一環として、全電気式の垂直離着陸機(eVTOL)の飛行を行った初の企業となりました。

NASAによる今回の取り組みは、旅客エアタクシーなど、航空業界での新興市場に対する社会的信頼を獲得することを目的としており、現実的なシナリオでの飛行試験とデータ分析を行います。データ分析により、当局が新興の航空業界の基盤に対する規制基準の策定に役立つと述べています。

7月に、NASAは13の企業と1つの大学との提携を発表しています。ウィスク・アエロ(Wisk Aero)社も、飛行試験を行うフライトパートナーの1社です。

カリフォルニア州ビッグサー周辺にあるジョビー社の電気飛行試験拠点で2週間のテスト飛行が予定されています。その期間中にNASAとジョビーは、2024年から商用旅客サービスとして運航予定であると発表されている、ジョビーの全電気航空機の音響特性について調査する予定です。

NASAのAAMミッション統合マネージャーであるデイビス・ハッケンベルク(Davis Hackenberg)氏は次のように発言しています。「NASAは、飛行機の安全性や騒音に関する非常に価値の高いデータの収集において、ジョビー社と引き続き協力していけることを誇りに思っています。ここで収集するデータは、Advanced Air Mobility(AAM)のオペレーションをはじめ、航空の未来に貢献することでしょう。」

「ジョビー社のような業界リーダーからのデータは、NASAの研究活動や新たな航空機産業を構成するための将来の規格策定にとって欠かせないものになります。米国が安全で持続可能なAAMエコシステムの開発において主導的立場に立つには、業界とのパートナーシップが不可欠です。」

調査方法

NASAのエンジニアは、モバイル音響設備と50台を超えるグランドプレート音圧マイクをグリッドアレイに配置し、これによりジョビー航空機の放射音の多方向測定が可能になります。NASAとジョビー社はこのデータを使用して、ヘリコプター、ドローン、およびその他の航空機の騒音と比較して、放出される騒音の強度や特性をキャプチャするジョビー航空機用のノイズ伝搬半球モデルを生成します。

読み取った値を使用して、都市部の騒音プロファイルと組み合わせて、計画中の航空機の運用が現在の背景騒音にどのように溶け込むかを検証できると、同社は述べています。

ジョビー社の創業者でCEOのジョーベン・ビバート(JoeBen Bevirt)氏は次のように述べています。「NASAは電気航空機への移行における重要なきっかけとなってくれました。2012年に初めてコラボレーションして以来、複数の画期的なプロジェクトでNASAと提携できたことを誇りに思います。より持続可能な未来への道を切り拓き、AAM国内キャンペーンの一環としてeVTOLを飛行させる初の企業となれたことに、非常に興奮しています。」

「開発当初から、騒音プロファイルが非常に低いだけでなく、自然環境にシームレスに溶け込む航空機の製造を優先課題としていました。生活の質を損なうことなく、航空機を日々の便利な移動手段の1つにするためには、音響フットプリントを最小化することが重要であると、私たちは常に信じてきました。私たちは、航空機の音響プロファイルの実証にあたり、電気飛行の分野で長年提携してきたNASAと一緒に飛行実験を行えることをとても楽しみにしています。」とビバート氏。

ジョビー社とNASAによる取り組みの最新情報が発表されました。過去10年ほど、電気推進を研究している以下のようなさまざまな航空機プロジェクトにおいて、ジョビー社はNASAと協力してきました。

  • 耐久性の高いeVTOL試験機、ロータス(Lotus)
  • 最先端の非同期プロペラテクノロジー(LEAPTech: Leading Edge Asynchronous Propeller Technology)プロジェクト
  • 現在システム統合試験中の実験用航空機、X-57マクスウェル(Maxwell)の設計

 

航空機の詳細

ジョビー社の航空機は、最新の飛行試験で実証された最大航続距離は150マイル(約240km)、最高速度は200mph(約320km/h)で、乗客4人とパイロット1人が乗れる設計となっており、飛行中はゼロエミッションを実現すると同社は述べています。2017年以来、ジョビー社は1,000回以上の飛行試験を完了させ、実物大の試験機の飛行も成功させており、2023年に電気エアタクシーが連邦航空局(FAA)から認定取得できることを目指しています。

同機は、6枚のプロペラを傾けて駆動させることで垂直離着時と効率的な巡航飛行を実現させています。航空機のブレード数、ブレード半径、先端速度、ディスクローディングをすべて見直すことで、音響フットプリントを最小限に抑え、生成される騒音特性を改善しているとジョビー社は述べています。また、プロペラの傾斜、回転速度、ブレードのピッチ角を個別に調整することもでき、従来のヘリコプターの「パタパタ」という音を生じさせるブレードと渦との相互干渉を防ぐことができます。

試験完了後、NASAとジョビー社の音響専門家のチームが連携してデータを分析し、年内に調査結果を共有します。

特別買収会社Reinvent Technology Partnersとの企業合併に続いて、ジョビー社はこの度、ニューヨーク証券取引所への上場を果たしました(NYSE:JOBY)。3月31日時点での同社の貸借対照表には、取引での調達による収益と現金を合わせて約16億ドルが計上され、初年度の事業活動を通じて必要な資金を確保できる見込みだと、同社は述べています。

ゼロエミッション航空に向けたソリューションを模索するために、ジョビー社は中国を拠点とする競合他社EHangと協力関係を築いています。同じく競合他社のLiliumとArcherも、今月株式公開するという独自の計画を発表しています。

 

この記事はのFlying Staffが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。


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