vol.03 特集テーマ 航続距離延伸

移動式EV充電器ネットワークの構築を目指す
スタートアップ企業
Dmitry Lashin氏のインタビュー記事

ロシアの農業ビジネス最大手に数えられる会社のCEOであり創業者でもあるDmitry Lashin氏は、先進の農業科学技術で国内記録を塗り替えてからも、立ち止まる気配はありません。この若い起業家は、ロシア政府が課した欧州からの野菜輸入禁止に乗じ、国内でその名を知られるようになりました。

彼の会社Dolina Ovosheyは、最先端の温室技術で野菜の生産を独占しました。Lashin氏は、気候コンピュータと温室技術を取り入れたパイオニアの一人です。それにより、同社は企業間の競争で優位に立っただけでなく、その温室はロシア第5世代のショールームとなり、他の栽培者たちが見学に来ては驚嘆させられたのです。彼のモットーは「今日自分たちがやらなければ、明日には他の誰かがやる」です。

新しい時代がやってきました。ということは、Lashin氏が電気自動車(EV)の利用者たちが直面してきた問題への解決策を提供したとしても、さほど驚くことではないでしょう。

長距離運転のとき、どこでEVを充電するか?

これからは電気自動車の時代です。L-Chargeは、できるだけ早く車に飛び乗って出かけたい気持ちをサポートするために誕生しました。

L-Chargeは、超高速EV充電器のスケーラブルなネットワークを構築しようとする革新的なスタートアップ企業です。

自動車メーカーは環境に配慮した車を推進していますが、道半ばです。EV車の所有者は増加しているものの、多くの人は未だに躊躇しています。充電ステーションが十分に整備されていないため、特に電力グリッドに接続されていない地域を通る際に、移動を制限されることが多いのです。

電力グリッド無しでも問題なし

L-Chargeは、電力グリッドの有無にかかわらずどこにでも設置できる超高速オフグリッドEV充電器で、開発の遅れているEVインフラに大変革をもたらそうとしています。今後数カ月以内にモスクワで発売が予定されているこの製品は、ガソリンスタンド業界とのギャップを埋められる可能性があります。また、ガソリンスタンドは、オフグリッドEV充電器でサービスを多様化できることになります。

そしてガソリンスタンドだけでなく、電力グリッドの外側にいるあらゆる企業が、同じようにこの新しい収益を創出する機会を利用できます。外部の電力グリッドが不要なL-Charge製品なら、レストラン、道路沿いのカフェ、ホテル、ショッピングモールなどどこにでも、何の障害もなく設置できるのです。

L-Chargeが提供する最先端技術には、設置式と移動式の2種類の充電器があります。設置式充電器は高速道路、ガソリンスタンド、駐車場向けで、24~50 kWhの一般的なバッテリーを10分で充電できます。内蔵バッテリーは車を接続していないときに充電されます。

移動式充電器は市街地向けで、街中で一台の電気自動車から別の電気自動車へと移動させて充電できます。25 kWhまでなら10分で充電でき、内蔵バッテリーは車から車へと移動している間に充電されます。

「時は金なり」ですから、長く待たされて喜ぶ人などいません。高速充電(2.5~5秒で1 km、10分で120~250 km)は保証されており、さらに利用者が非接触決済を利用できる独自のアプリケーションも提供します。また、予約サービスを利用すれば利用者にとって最も都合の良い時間と場所で充電することも可能です。

シンプルで、使いやすく、従業員も必要ありません。インフラ開発の必要性について心配することなく、すぐにでも電気自動車に切り替える機会がついに提供されるのです。

EVは本当に環境に優しいの?L-Chargeが排出するCO2は100 kmの充電あたり7.05 kgです。これはディーゼル車と比べて68%の削減です。世界の電力グリッドと比較しても、L-Charge製充電器が排出するCO2はkWhあたり8%少なくなります。答えは明確であり、未来はさらに環境に配慮したものとなるでしょう。なぜなら、作られたインフラはガソリンの代わりに水素エンジン用に切り替えが可能だからです。

「我々が構築している液化天然ガス(LNG)を動力源としたEV充電器のインフラは、簡単に水素燃料またはハイブリッド利用に変えることができます。つまり我々のEV充電器はLNGだけでなく水素で稼働することもできるわけです。技術的にはすでに可能です。」

この製品は「ブリッジテクノロジー」とみなされており、欧州がEVエコシステムを次の段階へと移行させることを目指していることから、Total、Shell、Gazprom、BP、ExxonMobilといった主要な世界的エネルギー企業もすでに再生可能エネルギー源の開発に力を注いでいます。

物理科学と数理科学の博士号と充電技術の経験を持つDmitry氏の会社は、すでに500 Mwtの容量を使う施設を構築しています。これはEnel社のHigh Lonesome Wind Farmに匹敵する規模です。

今後L-Chargeはあらゆるタイプの電気自動車に適用するよう充電器を最適化し、充電容量も拡大することを目指しています。先見の明があるというのは、かなり孤独なことです。したがって、今のところ市場には実用的な他の選択肢はありません。しかしChargePoint、Plugshare、Shell Recharge、Electrify Americaといった企業がL-Chargeと同様の目標を掲げており、将来的にはライバルとなるかもしれません。

あなたのテスラ、フォルクスワーゲン、トヨタ車を充電して、よりグリーンな未来へのゲームを始めましょう。

 

この記事はTechBullionのAngela Scott-Briggsが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願い致します。

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