vol.02 特集テーマ「Sustainable Mobility」

サステナビリティへの取り組みがビジネスにプラスの影響をもたらす理由

サステナビリティへの取り組みと環境保全という2つのコンセプトは、最近よく耳にする言葉でしょう。ビジネスにおいては、この2つのコンセプトがさまざまなことに直結しています。例えば、気候変動で天然資源が枯渇すればサステナブルとは言えませんし、コストや廃棄物を減らすことができればサステナブルである、と言うことができます。

サステナビリティを目指すこうした活動は、企業にとっては新たな負担になることもあります。しかし、サステナビリティ実現のためのイニシアチブを制定した企業は、新たな成功を収めています。事実、サステナビリティや環境保全が社会的大義以上の意味を持つ場面は多く、この2つのコンセプトを実行することで、戦略的にも経済的にもプラスの影響を企業にもたらします。

コンサベーション・インターナショナル(CI)とNia Tero(先住民の発展やコミュニティの管理に力を入れるグローバルな協働組織)両団体の創設者であるPeter Seligmann氏は、自然環境の大切さを積極的に訴えています。Seligmann氏はサステナブルな活動を実践することがビジネスにもプラスになることをよく理解しており、環境に優しい製品の製造や社会に配慮したビジネス戦略は倫理的な行いであるだけでなく、企業の収益にもプラスの影響をもたらすことも認識しています。

収益の健全化

サステナビリティへの取り組みにもつながる企業の効率を重視する戦略が、コストの削減や収益の増加をもたらす事例は数多くあります。Seligmann氏はGreenBizの記事で次のように説明しています。「古いコンピューターを買い換えたり、エネルギー効率の高い電球に付け替えたりするだけで、企業は最大10億ドルも節約できます。世界の大手企業のいくつかは、サステナブルな活動への投資によって自社製品にイノベーションがもたらされると同時に、ブランドイメージの向上にもつながることを理解しています。また、企業のサステナブルな活動への従事を促進すべく、所得税控除や固定資産税控除など、政府は企業向けの税制上の優遇措置やサステナビリティに対する優遇税制を設けています」。

OECD Observerの記事にはSeligmann氏の主張が多く掲載されています。この記事の中でSeligmann氏は、「限りある天然原料の利用や燃料消費を減らしたり、廃棄物の排出を削減したり、他の産業で出た副産物を活用すれば、コスト削減につながります」と指摘。サステナビリティへの取り組みにより、商品の価値も高くなります。社会に配慮したブランドの商品を購入したいと思う顧客の購買が増えるからです。企業組織の文化にサステナビリティが浸透すると、社会的意識の高い人材が愛社精神を抱きやすくなり、競争上の優位性につながります。

また、サステナビリティの力を説明する記事も多く存在します。例えば、プロジェクトROIはサステナビリティ推進プログラムがもたらす経済的な利益を総合的に分析しています。Ensiaの記事によると、「サステナブルな取り組みが正しく実践された場合、販売収益は最大20%、市場価値は約10%上昇し、投資リスクが低減し、従業員の離職率が半分に減少します」とのこと。また、この記事には、WeSpire SustainabilityによりMGMリゾートが年間約500万ドルを節約できたことも紹介されています。

メリットは自社以外にも

サステナビリティへの取り組みでメリットを受けるのは、その企業にとどまりません。自分たちがサステナビリティへの取り組みを実践していることをぜひ周囲に伝えましょう。Seligmann氏はGreenBizの記事で次のようにも語っています。「多くの小売業者、メーカー、卸売業者との結び付きが強い場合、利益を生み出すにあたってその企業の影響力はかなり大きなものになります」。

Seligmann氏はウォルマートを引き合いに出して説明しています。ウォルマートは世界各国に15万社もの卸売業者を抱えています。ウォルマートがサステナビリティを実践する意向を固めた際、自社ブランド製品を卸す業者に100%リサイクル可能な梱包材とサステナブルな梱包方法を採用するように指示しました。「梱包方法を見直し、より効率的な梱包方法を採用したことで、ウォルマートはこれまで以上に多くの商品を店舗在庫として持てるようになり、収益力が向上しました」。

弊害なく成長する

企業運営で難しいのは、資源の利用に極力頼らずに事業を拡張していくことです。例えばスターバックスは、森林破壊を代償にしてまで企業成長を求めるべきではないと判断しました。コーヒーをより多く売るためには、使用する豆の量を増やすことが必要ですが、コーヒー豆の栽培を増やすには森林を伐採してコーヒー農園を増やさなければなりません。そんなジレンマを抱えていたスターバックスでしたが、森林破壊をせずにコーヒー栽培を促進する新しい方法の開発に成功しました。

この新しい方法の説明がObserver誌の記事に掲載されています。「スターバックスは熟慮を重ねた結果、C.A.F.E. (Coffee and Farmer Equity)プラクティスが誕生し、サステナブルな原料によるコーヒーを提供していることが第三者組織によって検証、保証されるようになりました。現在、スターバックスコーヒーの99%がC.A.F.E.プラクティスを実践しており、同社のサステナビリティへの取り組みがスターバックスブランドの人気を後押ししています。朝や午後の時間帯にはコーヒーを買い求める客の行列ができ、世界的な成長を目指す方針が正しいことを証明しています」。

社員のマインドセットにサステナビリティを根づかせる

サステナビリティは企業にあらゆるメリットをもたらします。Seligmann氏は「自己利益の啓発」を積極的に行うべきだと提唱し、前述のGreenBizの記事で次のように説明しています。「自己利益の啓発により、職業上の目標と個人的な目標を同時に達成することができます。サステナビリティという考え方を社員が心から望まなければ、自社にサステナビリティを浸透させることはできません」。

このマインドセットが根づくには時間がかかるでしょう。しかし、このようなマインドセットを持つビジネスリーダーは多く、彼らをお手本にすることで自己利益の啓発が実践できるようになるでしょう。その過程で、サステナビリティを自社に活用する新たな方法にたどり着き、それを実践することで経済的なメリットが得られ、自社ブランドの評判が向上して確固とした競争力へつながっていくのです。

(この記事はDueに掲載されていたものです)

この記事はBusiness2CommunityのPeter Daisymeが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

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